失語症と歌

偶然ですが「失語症と音楽療法」がさりげなく(というかほとんど全編にわたって)描かれている映画を観ました。

「Flawless フローレス」 ジョエル・ショマッカー監督 ロバート・デ・ニーロ主演 1999年の作品です。
何気なく借りた1本でしたが、まさかまさか・・・
デ・ニーロ扮する元警官で元ヒーローのウォルトはタンゴをカッコよく踊る孤独な男。
ある日、住んでいるアパートで銃声が聞こえ、ウォルトは現場に向かいますが、途中でなんと!脳卒中で倒れてしまいます。
その日から彼は右半身麻痺の身の上になってしまうのです。
右半身麻痺ということは左側の脳が損傷され、失語症が伴うことが多いのですが、彼も言語に障がいが出てしまいます。
杖をつき歩く姿は、回りの皆から憐みの目で見られ、彼は部屋に引きこもり泣いたり、死にたくなったりします。
そんな時、何の連絡もないことを心配して、主治医が彼のアパートを訪れます。
外に出るのが嫌ならと、訪問リハビリを勧めます。
そして、リハビリの理学療法士が「言葉のリハビリ」として勧めるのが歌のレッスンでした。
彼は、考え、アパートの上の階に住む、ショービジネスの世界に生きるゲイのラスティに歌のレッスンを頼みます。
ラスティは本当は心の優しい男(女?)なのでこの申し出を受け、二人の奇妙な歌のレッスンが始まります。
その中にギャングやタンゴの踊り子やゲイ仲間などが絡み、物語は進行していきます。
言語野は左脳にあるので、左の脳が梗塞などに冒されると言語に障がいが出ます。
しかし、左脳に損傷があっても、歌は歌えるのです。
これが音楽の素晴らしいところ。
言語野以外のところで言葉を表出させることができます。
音楽を効果的に使えば、映画のように不自由ながらも曲を歌うことが可能です。
ここで使われていたのは古いアメリカの子供向けの歌「The Name Game」です。
この歌を何度も練習し、ついに彼は歌いきることができます。
エンドロールに歌っている楽しげな二人のシーンが出てきます。
「The Name Game」のような単純な言葉遊びのような曲の日本語の曲を見つけよう!(作ろう!)と思いました。

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コメント: 2
  • #1

    soundpost (木曜日, 11 10月 2012 06:25)

    音楽はいいね!言葉遊びの歌、日本にもありそうだね。むしろ、高齢者の方が知ってるかもね。

  • #2

    玲子 (木曜日, 11 10月 2012 07:20)

    soundpostさま
    アメリカではこの曲はメジャーなのでしょうか?
    音楽療法とのかかわりは?
    いろいろ調べたくなりました♪