認知度にバラツキがある集団の楽器活動

 

 

 

 

 

 

 

集団の音楽療法(音楽レク)の場合、

認知度にバラツキがあって、

なかなか楽器活動が上手くいかない時があります。

楽器活動の難易度を、誰に合わせたらいいのか迷う時もあります。

 

ついつい、認知度の低い方(つまりよくできる方)に焦点を当ててしまっていました。

 

 

そこで今日はやり方を変えてみました。

今日の現場は40人の集団でした。

認知度の低い方と高い方の割合はちょうど同じくらいでした。

 

 

使ったのは、写真のようなカラーベルです。

 

ベルは

ド=赤、レ=オレンジ、ミ=黄色、ファ=緑、ソ=水色、ラ=青、シ=紫

というような色分けになっています。

 

 

わかりやすい、ド(赤)、ミ(黄色)、ソ(水色)を、先に認知度の高い方に配ります。

 

白板に色楽譜(右の写真)を貼り、

(詳しくはSmile Musicのヒント!をご覧ください)

 

曲に合わせて、色楽譜を指していきます。(1音奏)

3和音で演奏できる曲ならこの3つの音があれば何とかなります。

 

 

ゆっくり時間をかけて(可能であれば)一人ひとりに色を認識してもらいます。

 

 

曲の終わりは大概主和音で終わりますから、

最後は「全員で!」と言うと、

綺麗にハモリます。

 

みなさん、満足そうに笑顔になります。

 

 

 

そして、次に

残りの音を認知度の低い方に配ります。

 

 

同じやり方ですが、(1音奏)

今度はすべての色を指していきます。

 

 

でも、認知度の高い方は迷いません。

一度しっかりマスターしたので

他の色が入っても惑わされませんでした。

 

 

結果的に、

合奏が整然と上手くいくと

認知度の低い方も満足できるのでした。

 

 

 

分からなかったり、失敗したりしないで

「できた」という満足感

 

とても大事ですね。

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実践エマニチュード

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スマイルミュージックには

参加せずにダイニングテーブルにじっと座っていたAさん。


「Aさんは参加されないのですか?」と介護スタックに聞くと


「ああ、Aさんはいつもああして座っているんです。多分参加しないと思います」とつれない返事。


私はAさんの正面から視覚に入るように笑顔で近づき「こんにちは~(*^^*)」


側まで行ったら膝まずき、目を合わせて「歌を一緒に歌いませんか?(*^^*)」


すると「あなた、どなた?」


「鈴木といいます。今日は、皆さんと一緒に歌を歌うために来ました(*^^*)」


「ああ、私歌大好き。行きましょうかね」


と自ら立ち上がり歩行器につかまり歩きだしました!


大成功です~♪

 

諦めません♡

 

 

ユマニチュードとは

 

 

体育学を専攻する二人のフランス人、Yves Gineste (イブ・ジネスト)とRosette Marescotti (ロゼット・マレスコッティ)によって作り上げられた35年の歴史を持つ、知覚・感情・言語による包括的なコミュニケーションに基づいたケア技法です

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オリーブ石鹸のプログラム

今日から新しいプログラム
手作りオリーブ石鹸を使います🎵

 

香り、手触りから記憶に働きかけます

「これなんでしょう?」
と問いかけると
「石」
「大理石」
「羊羹?」
など答えが返ってきます。

「匂いは?」と鼻の先まで持っていきます。
「あ、甘い匂い」

「いい匂い~」

とニコニコ。

 

「では手触りは?」

更に触ってもらうと

「石鹸!」

「石鹸みたい」

と正解が返ってきました。

 

すでに視覚、嗅覚、触覚を使っています。

触覚ってすごいんだなあ、と感じます。

今まで生きてきて、いろんなものを触っているから、

その経験で何なのかが分かるんですね。

もしかすると、一番先に、目をつぶってもらって触ったら、

すぐに正解が出たかもしれませんね(^O^)

 

その後、お風呂の話で盛り上がりました。

五右衛門風呂は

「すのこ敷いて入るんだよ」

「すのこが無ければ下駄履いてね」

「入ったことないなあ」

 

お風呂には何がありますか?

「へちま!」

「すべすべになるんだよ」

と教えてもらいました。

 

でも、私が使っている

「塩」「重曹」「アロマオイル」には

みなさんビックリ!

 

楽しい会話が弾む1時間となりました。

 

歌は

「シャボン玉」「おかあさん(おかあさん なあに おかあさんっていい匂い)」

「湯之町エレジー」「草津節」「会津磐梯山」

を始め、話に沿って歌を歌っていきました。

 

小道具ってホント大事です♪

 

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三木露風 「ふるさとの」を暗唱した女性のこと










今日は有料老人ホームでスマイルミュージック♪

『赤とんぼ』の作詞は「三木露風」ですと言うと、

ある女性が
「三木露風!私若いころよく読んだのよ~」と言って

「ふるさとの」という詩をその場で暗唱しました。


私はその詩を知りませんでした。、

よく知りもしないで三木露風と言ったことが恥ずかしい(>_<)


ほんとに、高齢の皆様には教わることばかりです。


しっかりしなきゃね


「ふるさとの」って歌もあるんですね

ということで、図書館で
「日本詩人全集」を借りました。

『荒城の月』の土井晩翠の詩も載っています。

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その「思い込み」やめませんか?















特養でのスマイルミュージックでのこと


ここの施設はほとんどの方が車いす。
スマイルミュージックに参加するには職員の手助けが必要です。
多くの皆さんが集まってきました。


そんな時、

一人ぽつんとテーブルに向って座っている車いすの女性がいました。


職員に「あの方は参加されないんですか?」と聞くと
「ああ、あの人は、うろうろしちゃうからね~」と言うのです。
それでも、職員はその方に声をかけてくれました。
そして連れてきてくれました。


スマイルミュージックが始まりました。
1曲目は『里の秋』

するとどうでしょう、

その女性は目に涙をたくさん溜めて歌いだしました♪

1時間の間、集中して歌ったり、体操をしたり、楽器を鳴らしたり・・


終わった後、声をかけると
「ありがとうございました」と泣かれました。


「思い込み」より「可能性」を信じたい☆


(写真は記事とは関係ありません)

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金星が 草加せんべい?

今日のSmile Music♪

 

今回は太陽系の惑星を

一つひとつ見せながら

プログラムを進めていきます。

 

みなさん、

それぞれの星を興味深くよ~く見ています。



すると、この写真、金星なんですが・・

 

90代の女性ですが

「草加せんべいみたいだね」

みんなニコニコ(^^)

 

そう言われると、お煎餅に見えてきますね(#^^#)

 

その想像力、さすがです!!


ちなみに、金星で歌ったのは『夕焼け小焼け』

「空にはきらきら金の星」ってありますね♪

 

一番星の金星のことだったんです!!

 

Smile Music、こんな楽しい現場です~♪

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Uさんが初めてみんなと一緒に歌った!!

今日のスマイルミュージック

 

とても感動的なことがありました。

 

 

有料老人ホームに入居されている

 

97歳のUさん、女性です。

 

 

Uさんは調子がいい時は、歌詞を貼ると、

大きな声で読み上げます。

 

今日もそうでした。

 

まだ始まっていないうちから、貼ってある『雨』の歌詞を読み上げていました。

 

「雨が降ります 雨が降る 遊びに行きたし 傘はなし」という歌です。

 

 

私はUさんがこの年齢で、しっかり見えて、

読めるところはすごいと思っていたので

 

よく見える席に座ってもらいました。

 

「どうぞどうぞ読んでくださいね」という気持ちです。

 


Uさんは自分の世界観があり、なかなか周りのことに気づきません。

 

なので、これまでも歌詞は読むのですが、

節をつけてみんなで一緒に歌うことはありませんでした。

 

 

今日のプログラムは

 

私が折った、折り紙と歌と結び付けていくものでした。

 

 

Uさん

 

今日はなんだか違います。

 

 

私の顔をよく見て、話を聞いています。

 

 

鶴をお見せし、『かごめかごめ』を歌いました。

 


次に、兜をお見せし、『背くらべ』を歌っていると

 

しきりに私の顔を見るのです。

 

 

(歌っているときに、伴奏者の私の方を何度も見る人はの中には

 

「これでいいのかしら?」と不安になっている人が多いのです)

 

 

Uさんが私の方を見るなんて今まで全くありませんでした。

 


私もUさんをじっと見つめ、歌いかけます。

 

目と目が合います♡

 

 

すると!!

 

 

Uさんが歌い始めました。


大きな声で

 

「柱にもたれりゃ すぐ見える 遠いお山も 背くらべ」

 

 

伴奏しながら、私は嬉しくて嬉しくて・・・・\(^o^)/

 

 


時々、ずれてしまうのですが

 

その時はまた私を見ます。

 

そしてちゃんと修正して、またみんなと一緒に歌えるのです。

 

 

『かたつむり』も一緒に歌うことができました。

 

他の歌謡曲は難しいようでした。

 

 

しかし、最後の『上を向いて歩こう』は

 

また私の顔をじっと見つめていたので

 

私もずっと見つめたまま歌いました。

 

 

すると

 

『上を向いて歩こう』も

 

「幸せは雲の上に」のあたりから

 

歌い始めたのです!

 

 

今日のキーワードは

 

馴染みのある歌

折り紙

伴奏者、進行者の存在に気づく

アイコンタクト


 

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「ああ上野駅」でお国自慢

今日のスマイルミュージック♪


「香り」がテーマでした。


香りがする歌を歌ったのですが、


その中に『ああ上野駅』という歌がありました。



『ああ上野駅』は「どこかに故郷の香りを乗せて 入る列車の懐かしさ」という歌詞があります。


そこで、皆さんに「故郷の香りは何ですか?」ととても漠然とした難しい質問をしてみました。

そしたらどうでしょう!
お国自慢が始まったのです(^O^)

群馬県太田出身の94歳男性 「そりゃあ赤城山だろ」
茨城県水街道出身91歳女性 「筑波山だね~」
北海道小樽出身80代女性  「雪かな」
埼玉県杉戸町出身90代女性 「美味しいお米ですね」
長野県鬼無里出身80代女性 「芋とか野菜だね」
東京都足立区出身86歳女性 「下町の香りですね」


質問は故郷の香りだったんですけどね(^^ゞ


それにしても、バラエティに富んだふるさとでしたヽ(^o^)丿
みんなにっこりスマイルになったのは言うまでもありません♪


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小道具って大事♡

4月18日はお香の日

 

「香」という字を分解すると一十八日となるからだそうです。

 

ということで

最近のスマイルミュージックのプログラムのテーマは「香り」

 

うちにあった和と洋の香袋を
参加者のかたに嗅いでもらいます

 

みなさん、香りがわかると
にっこりスマイル(#^^#)

 

小道具って大事❤

 

それにしても
日光東照宮のお香守

いつ誰が?

全く記憶にありません(^^;

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歌ってすごい!場の雰囲気を簡単に楽しいものにできますね

とある特養でのこと。


「おはようございます!」と言って


スマイルミュージックを行うダイニングスペースへ入っていくと・・



Mさんが怒っています。


「みんな何もしないから、私ばっかり仕事を押し付けられるんじゃないの!」


特養に入居されている方はほとんどが認知症。


中には被害妄想で怒ったり文句を言ったりする人も少なくありません。




時間とともにスマイルミュージックに参加される方がだんだん集まってきました。


Mさんはず~っと同じことを言って怒っています。


誰だって怒っている人を見ていい気持ちはしません。


なんだか、雰囲気が悪くなってきました。




ホワイトボードに歌詞を貼りました。


今日の1曲目の歌、滝廉太郎の『花』です。











それを見て、一人が歌いだします。


「は~るのうら~ら~の す~み~だがわ~」


つられてみんなが歌いだします。


Mさんも歌いだしました。


あれれ?怒っていたのでは?


その場のいや~な雰囲気もどこかへ飛んで行ってしまいました。


そしてみんなスマイルスマイル(#^^#)




歌ってすごいですね~


言葉も使わずに、

一瞬にしてたくさんの人の気持ちを変えさせることができました☆





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「選択する」という手法とステキな答えが返ってくる魔法の質問

有料老人ホームのスマイルミュージックでのこと。

 

今日のテーマは「花祭り」。


いろいろな色の花の歌を歌いました。


その中の1曲に『四季の歌』がありました。

この歌はみんな大好き。たった2文で春、夏、秋、冬の雰囲気を表している、ステキな曲です。

 

歌い終わると参加者の皆さんに「みなさんは春夏秋冬のどの季節が好きですか?」と問いかけました。


この「選択する」という手法を私はよく使います。

質問するとき、ただ漠然と「○○をどう思いますか?」ときいてもなかなか答えは返ってはきません。

でも、「この中から選んでください」と言えば、答えやすいです。


当然、選択する事柄が多くなるほど「選択する」ことは難しくなってきます。

今回は4つの中から1つを選ぶというもの。ちょっと難易度高いですね。


参加者 ひとりひとりに 聞いていきます。

認知が重くなればなるほど「選択する」ことができなくなってきます。

そんな時は、にっこり笑って「どれもいいですよね」「なかなか決められませんよね」と言いましょう。


そして、今回の質問には「選択する」の他に、「好きな理由を話す」という漠然とした難しい質問を重ねて聞きました。


みなさん、それぞれ自分の言葉でお話しされましたが、

なかでも、とてもステキだった2人の方のお話を紹介します。

どちらも80代女性です。

 


 

一人目の方はAさん、

普段はとても物静かで話しかけても弱々しい。

音楽の時間、目をつぶり「寝ているのかな?」と思うときがあります。

 

でも今回は違いました。

好きな季節を聞くとすぐに「春」と答えました。

理由はなんですか?と聞くと、微笑みながら目を輝かせ一気に話し始めました。

 

「私は新潟の生まれです」

「春になると、小川が流れてね、積もった雪にトンネルができるんです。」

「そのトンネルの中をのぞくと土の中からふきのとうが顔を出しているんです」

 

その方の目には雪から顔をのぞかせた、ふきのとうがしっかりと見えているようでした。

 

聞いている私にもAさんの感動が伝わってきました。

もう一人の方は、Bさん。

認知があります。

でも、好きな季節はすぐに「冬」と答えました。

 

Bさんにくるまで、ほかの人は「春」か「秋」とこたえていたのに・・

なのに敢えて他の人とは違う「冬」と答えたのです。

 

Bさん、自分の番になるまで、私が投げかけた質問をよ~く考えていたんですね。

そしてしっかり自分の考えを話すことができました。

 

理由を聞くと、言葉になるまで時間はかかりましたが、小さな声で、でもにっこりしながら

「だってね、スケートができるでしょ」と言いました。

 

この時、私は思わず涙が出そうになりました。

 

Bさんは長野の生まれなのです。

子どものころから冬はスケートをして遊んでいたのでしょう。

楽しい思い出なのでしょうね。


 

「春夏秋冬、好きな季節はいつですか?」

「どうしてその季節が好きなんですか?」


この質問には魔法の力があるのかもしれませんね。

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4年たちました・・あの日を忘れない

今月はこの歌を歌っています
高齢者の方々も歌います

歌うと涙がこぼれそうになりますね…

あの日を、想いを忘れないために❤
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数珠玉を知っていますか? 









三味線のお師匠さんから
たくさんのお手玉をいただきました


毎年何人かで作って社会福祉協議会に寄付していたのだそうですが、

どこでどう使われているかわからなかったそうてす。

私と知り合い、行き先が分かるところで使ってもらいたいと言ってくださいました。


それはそうですよね
ありがとうございました♡










上の写真をご覧ください。
このお手玉には
あずきではなく、数珠玉という実が入っています。
それと、小さな鈴も❤


今日のスマイルミュージックでは
配ったとたん、
「これは数珠玉ね」
「触ればわかる」


別の人が「お手玉に足袋の小はぜを入れたのよ」
「いい音がするの」


また別の人が
「数珠玉はトウモロコシみたいに背が高いのよね」


さらには
「おじゃみね」
「お手玉のことをおじゃみと言いました」


こんな具合に話が弾みました(^^)


認知症と言われている方たちですが、生き生きとされていました。


なんだか終わってからの
おやつの時間
介護職員さんもやさし~く
皆さんに接していたように感じました。


今日もスマイルスマイル☺

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字が読めないからなおさら

本日、スマイルミュージックも仕事始めでした


いろはかるたと歌を結びつけたプログラム♪


私が楽器を片づけていると・・


Nさん(94歳)がニコニコしてお隣のKさんに話しかけています。

Nさん「今日は楽しかったね~」
Kさん「そうだね~」

Nさん「箱根八里がよかった~」
私「箱根八里好きですか?」
Nさん「昨年、息子夫婦と箱根の山を登ったんだ~」
Nさん「車で連れて行ってもらって、最後は手を引いてもらって歩いて登ったんだよ」


そう、Nさんは歌を歌って、楽しかった旅のことを思い出したんです。


息子さんに手を引いてもらったことや、自分の足で登ったことは
きっと嬉しくて誇らしい気持ちなのでしょう。


私「Nさん、ベルを鳴らすの上手かったですね~」
Nさん「あれは難しいから、先生の棒をよく見てやるんだ~」


ベルの活動も間違いなくしっかりとできていました。


Nさんは子どもの頃事情があって、小学校へ満足に通えませんでした。
なので字があまり読めません。


だから、歌詞はあまり読めないのです。
ベルが上手くできることは、なおさら、満足感に満ちていることなのでしょう。


私もとても嬉しくなりました♡

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誰にでも琴線に触れる音楽がある 特養でのひとこま

音楽療法♪

いつもいつも感動があるわけじゃないけど

今日はとても感動して泣きそうになりました!

 

特別養護老人ホームでのこと

耳が遠くて日常ではいろいろなことに反応しないAさん(70代男性)

今日もやはりそんな感じ。

それが田端義夫の「別れ船」を歌っていた時

ふと見たAさんが歌っているではありませんか!

私が一緒に歌いかけるとAさんは笑顔で私の顔を見ながら歌います♪

 

歌い終わるとじわ~っとAさんの目に涙があふれました。

 

「Aさん・」と言って私が手を握るとAさんは

「いいよ~いい!」と言って腕で丸を何度も何度も作ります。

 

すると介護職員の方がこんなことを話してくれました。

「Aさんは町の洋品店のご主人」

「町の寄り合いがあるとカラオケになってAさんはいつも「別れ船」を歌っていましたよ」

なんと、その介護職員の方はAさんのご近所だったのです。

 

Aさんの胸にはどんなことが蘇ってきたのでしょうか。

 

そんなことを想うと私も涙が出てきそうでした☆

 

誰にでも琴線に触れる音楽がある♪

それを見つけ出すことが私たちの仕事なのかもしれません。

 

音楽って素晴らしい!

 

初心忘るべからず

 

また明日もガンバる、そんな出来事でした♪

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可能性を信じて

今日の午後は某特養のセッションでした。

ここは毎回、施設側がセレクトして参加者が決まります。

今回も手ごわい方々が揃いました。

 

こんなとき、私はギアがぐーんと上がります。

参加者の皆さんを覚醒させ、自分自身を呼び起こし、笑顔にして、自発言語を誘い出すべく音楽を進めていきます。

眼と眼が合えばしめたもの。

待てば何かを語ってくれます。

 

今日は職員によれば意思疎通は首を振るくらい、という方が

「私はもうすぐ100歳、今日はありがとう、また来てください」と可愛い笑顔で言ってくださいました。

 

連れてきてくれてありがとう!

どんな人でも、音楽を介せば、心と心がふれあえるのです~♪

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認知症の方の音楽療法

今日はさらにこんなことがありました。

 

いつも綺麗なソプラノで歌ってくださるAさんの娘さんが、偶然面会に来られ、一緒に音楽療法に参加されました。

Aさんに、娘さんにいいとこ見せましょう、と言った言葉が響いたのでしょうか・・

いつもは控えめで絶対そんなことしないAさんが、指揮をしながら歌ったのです!

そしていつもは絶対言わないことを娘さんに言いました。

「布団を干したからね」

そして娘さんのお子さんの名前も思い出したようです!

 

娘さんはこんな嬉しいことを言ってくださいました。

「最近は会いにきても私のことがわからないんです」

「でも今日の母の顔はいつもと全く違います」

「すべての階の音楽療法に参加させてくださいとケアマネさんに言います」

(この施設は階ごとに音楽療法が毎週あるのです)

 

先日の音楽レク講座でも「重度の認知症の方は音楽レクをやっても、なかなか反応が無い」と悩まれている介護職員の方がいました。

でも、私はこう思うのです。

『やり方次第で、認知が重い方にはとても音楽の効果があります』

 

音楽って素晴らしい♪

 

いつもは孤独な仕事ですが、今日は音楽の効果を認めてくださった方がいて、私はとても嬉しかったのです。

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音楽は心を浄化する

今日の有料老人ホームの音楽療法

初めて参加された方がいました。

入居して間もない方です。

「私は歌わないよ」と不機嫌。

話しかけると「もうだめだから」「何が何だかわからない」と混乱しているようでした。

目がほとんど見えないのだそうです。

ところが歌が進むにつれ、徐々に歌い出しました♪

終わってから話しかけると、まるで人が変わったようにほほえみ、「できたね~」「ありがとう」と言いました☆

一時でも心が温まること大事ですよね(^-^)

 

やっぱり音楽には浄化作用があるのです!

 

音楽って素晴らしい♪

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開戦の日に思う

今日は開戦の日

 

音楽療法で伺うと、真っ先に来て座って待っている93歳の男性がいた。

今日は早いですね、と声をかけると

「今日は私たちにとって忘れられない日だからね」と興奮気味に話しだす。

「真珠湾攻撃の日、わしは22歳だった」と遠い目・・

「19歳で徴兵検査、甲種合格でロシアとの国境の警備をしていた」と言う。

それからしばし、あふれ出る思いを一気に話した。

戦争が始まったことで、「お国のために命を捧げるから」と当時の恋人に別れを告げたのだそう。

でも、「国のために人生が狂った」というようなことは一度も言わなかった。

『潔い』という言葉がぴったりくる、この方の言葉の裏の様々な思いを私はどれだけ受け止められたのだろう・・

 

戦争なんて二度としたくない、子どもたちにも孫たちにももっと先の人たちにも。

だから、秘密なんて絶対いやだな!!

気持ちの悪い法律は何としてでも無効にしなくちゃいけなんじゃない?

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97歳の方がアウフヴィーダーゼーエン

そういえば・・

この前の音楽療法で97歳の女性が

とてもいい感じで自分自身をよみがえらせ、音楽療法を終えた後に

帰る私を見送りたいと、わざわざ玄関まで来てくださった。

帰り際に私の手を握って「アウフヴィーダーゼーエン」と言いました!

彼女は女医さんだったのです。

 

こんなステキなことが起こります☆

音楽って素晴らしい!

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音楽療法で認知症の方もこんなに変わります

ついこの間の音楽療法のこと

そこの方々は重い認知症です。

さっき食べたお昼ご飯を口の中に入れたまま飲み込めないでいるAさん。

そんな状況ですから言語を発することはほとんどありません。

 

それが・・

音楽が始まると自然と手拍子をしだします。

どんどん音楽と融合していきます。

私が「新嘗祭」のことを話題にすると、手を上げて何か言いました。

でも、口の中の物が邪魔して上手く話せません。

すると、その物をごくっと飲みこみ、「神様にお米をお供えします」としっかりと話しました。

私もスタッフも驚き、そして嬉しくなります。

次に、「桑の実」のことを話題にすると、また同じようにして「お蚕さん」と言いました。

その後、サウンドシェイプを持って、コール&エコーをすると、正確ではありませんが、自分なりにリズムを再現しようとします。

1時間集中して手拍子、歌唱、発言、楽器とすべての活動をやり終えたとき、Aさんの目には光が灯り、笑顔が現れました。

 

音楽って素晴らしい!!

 

これが毎日あればいいのにね♪

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「今この時」が充実したものに

昨日の特養のセッションに1か月ぶりに参加したSさん。

終わってから「お久しぶりでした」と声をかけました。

すると「先生(先生でも何でもないのですがこう呼ばれています(^^ゞ)、実はとても悲しいことがあったんです」と私の手を握ってきました。

悲しいことの内容は書けませんが・・

「でもこうして歌っていたら悲しことを忘れていました」とお礼を言ってくださいました。

そうなのです、夢中で音楽の世界に入り込めばその時だけでも悲しいことを忘れられるし、認知症の方も自分らしさを取り戻せるのです。

「今この時」が充実した時であるように、というのはとても大切なこと。

 

また今日も「音楽で笑顔に」がんばります♪

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ハロウィンよりもかまどさん

今日の現場、埼玉県は杉戸町のデイサービスでした。

ここは、地域密着型と言いますか、この周辺(久喜市、宮代町、幸手市など)で生まれ育った方々が多くいらっしゃいます。

いつもいつも私の知らない昔のことを話してくださるのです。

 

今日は「神無月」「出雲大社」などを話題にプログラムをすすめました。

すると、

Sさん「今日は晦日でかまどさんだな」

Kさん「昔は10月31日はかまどさんと言って、台所の神様、荒神様が出雲へ旅立つのでぼた餅を作ったんだよ」

私「え?でも神無月は10月でしょ?」

Kさん「旧暦だからね」「菊の花と一緒に供えて、戸口にはむしろを敷いて送り出すんだよ」

Nさん「そうそう、11月の半ば頃には「るすんぎょ」と言って留守を守る神様のために混ぜご飯をつくったんだ」

Nさん「昔は特別なものはなかなか食べられなかったから楽しみだったんだよ」

Kさん「今じゃそんなことするうちは無くなったよね~」

 

巷では今日はハロウィンとか言って騒いでるけど、こんな面白い風習が忘れ去られている、ということに複雑な気持ちになりました。

 

お年寄りはこんな興味深い話しをたくさん知っています。

私たちは、外国の風習を楽しむよりも、日本古来のよき風習をもう一度知り、伝えていかなくてはいけないのではないでしょうか・・・

 

その他にも大国主の命、箍(たが)屋、繭運びと餅屋など、他の皆さんからも次々と思い出話しが出てきましたが、また今度☆

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すべての施設で音楽療法を!

昨日の音楽療法で

初参加の方(入居間もない方)がいらっしゃいました。

車椅子にの上で、折りたたむように腰が曲がって、しかも右に傾斜して、うつむいて、始まるのを待っていました。

とても小さいので一番前の席へお連れし、声をかけましたが、自分の名前も言えない状態でした。

それが・・・

1曲目の季節の歌《証城寺の狸囃子》をはじめると、顔を上げ、徐々に身体が真っ直ぐに。

「10月の別名は?」とみなさんにお聞きすると、「神無月」とすぐさま発言され、瞳に光が灯りました。

それからというもの、しゃっきりしてすべての歌を歌い、楽器も積極的にならします。

さらには、「楽譜が欲しい」と要求までされました。

かつてはコーラスをやっていたのだそうです。

 

「はじめはすごく元気が無かったの。でも今はとても気分がいいわ」と笑顔でおっしゃいました。

音楽って素晴らしい!!

 

すべての施設で音楽療法がおこなわれる日が来ますように♡

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五感を刺激したら、こんな効果が!

今日の音楽療法、「栗」をテーマにプログラムを作りました。

そしてアロマセラピストのさあやさんがお手伝いに入ってくれました。

今日のアロマの香りはローズマリー。

実際には食べてはいませんが「栗」と聞いただけで美味しさがよみがえってきます。

なので、味覚、聴覚、嗅覚、視覚、さらに楽器を鳴らしたので触覚、と五感を刺激するセッションとなりました。

 

プログラムの最後に《影を慕いて》をヴァイオリンで弾くと、歌詞も貼っていないのにKさんが歌いだしました。

Kさんは認知が進んで、表情があまりありません。

ヴァイオリンが演奏を止めてもまだ歌い続けるKさん。

最後まで独唱すると、みんなが拍手をして称えました。

Kさんはにっこりして満足そうに礼をしました。

 

終わってから誰かが「なんだか去りがたい感じね~」と言いました。

音楽の余韻がそんな言葉になったのだろうと思いました♪

 

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音楽療法の目的のひとつ「知識欲」

昨日の音楽療法の時、日本地図を見せてくれた方がいました。

「このまえ、音楽の時に小豆島の話が出たでしょ?ここですよね。きちんと知りたくて孫に作ってもらったんです」

とのこと。

 

昨日は岩手がテーマだったのでさっそく「ここですね」と確認できました。

 

こんなことを期待して音楽療法のプログラムを考えています。

何歳になっても知識欲はあると思うのです。

何かを知るってとってもうれしいことですもんね。 

 

こうして、私は少し報われ、今日も頑張るのです\(^o^)/

「音楽で笑顔に」♡

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いつの世も若者の気持ちは同じ

こんなかんじだったのでしょうか?
こんなかんじだったのでしょうか?

《銀座カンカン娘》を歌い、「戦後もんぺから解放されて、女性はオシャレや娯楽を楽しむことができたんですね」と言うと
80歳の女性が、「銀座に「三松」っていうダンスホールがあったのよ。そこへ行くとね、これ(指でOKサイン)持ってる男性が多かったからおごってもらうの」と話す。
いい思い出なのだろうニコニコして話す彼女とその話を聞いて他の人もニヤニヤ。

それを受け、午後の現場で銀座「三松」のことを問いかけてみると
どこからか「よく行ったよ」という大きな声が聞こえてきた。
今ではとっても小さくなっちゃった80代の女性が、それまで寝ていたのにもかかわらず、突然の発言!
ちゃんと話を聞いていたんですね~(^^ゞ
ニコニコして「あの頃はよく遊んだよ~」と言う。とても懐かしかったのだろう、その後何度も何度もダンスホールの話をしてくれた

私たちの時代はディスコ、今はクラブですか?
若者の気持ちはいつの世も同じなのだな、でも、戦争がたくさんの人の運命を変えてしまった。
もう二度と繰り返してはいけないのです!

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わくわくパーカッション

今日の午前中は知的障がい者の作業所で音楽療法でした♪

家から通ってきて、それぞれのチームに分かれて作業をしている方たちです

月に1回の余暇活動としてと、今日の仕事のモチベーションアップを目的に音楽療法をしています

音楽療法は11年目に突入しました~

 

そして今日はドラムサークルの手法を取り入れるようになってまる2年となった記念の日でもありました!

この活動のことを私は「わくわくパーカッション」と呼んでいます

 

ドラムサークルの手法を取り入れるようになって、とても変わったのは、音に集中できるようになったことです

みんなが思い思いに叩いている時はバラバラですが、ベースの音にだんだん合っていきます

誰かが面白いリズムで叩いていると、そのリズムに反応し、真似をする人が出てきます

彼らにとって集中することはとても大変なことなのです

 

すると、それが他の活動にも影響を及ぼします

今日は初めてミュージックベルを使って自分と同じ色の丸い色紙を見て和音を鳴らす活動をしました

曲はローレライ

1曲が流れている間、ずっとホワイトボードを見続けるのはとても難しいことですが、今回はホワイトボードへの集中力がすごかった!

 

音楽のいいところは途中で終わらないことと、終わりがはっきり分かるところだと思います

つまり、うっかりしていると過ぎてしまうので集中力がつき、いつまでやれば終わると分かってできる安心感があるということです

それが、音楽という美しい音の中で行うので気持ちよくできるのです

訓練、というのとはまったく違いますね

 

ドラムサークルにはコール&エコーという手法があります

いつもは私がコールしてみんながエコーでしたが、今日は「誰かやって~」というと、手を挙げる人が何人か

手を挙げてくれること自体もすごいんだけど、決してはっきりしているわけではないその音にみんなが集中するのもすごかった!

コールをしてくれた人への拍手喝采はいつものことながらバッチリ!

 

そして、さらにサプライズなことが起こりました!

音楽療法の終わりの時間が近づき、クールダウンのためにそろそろトーンチャイムを配ろうかな~

と思っていたところ、Oさん(女性ダウン症)が輪の真ん中へ走り込み、足踏みを使ったアク

セントという手法をやり出したのです

これはよくやる手法ですが、今日はたまたまやりませんでした。

まわりのみんながそれにすぐ気付き、彼女の足踏みに合わせて太鼓を叩きます

Oさんは歩みを遅くしたり早くしたり跳ねたり、いろいろ工夫した後、小走りに走りだします

それに合わせてみんなの叩き方も早くなります

そして、最後にOさんは床にダイブ!

やりきった彼女はしばらく起き上がることができません☆

 

と、記念すべきこの日の音楽療法は終わったのでした♪

ドラムサークルの底知れぬ力を感じました☆

 

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音楽の効果

昨日に続き音楽の効果のはなしです
今日はデイサービスでの音楽療法
私が来るのを心待ちにしてくれているFさん
Fさんは娘さんを亡くし気持ちが落ち込むことが多いのです

終わってお茶の時間に、「Fさんお菓子食べてるね~」と誰かが言います
そう、Fさんは食がすすみません
でも、音楽があった後はニコニコ笑顔でお菓子も食べられるのです

歌うこと、音楽を聞くこと、楽器を演奏すること、など、これらがどうしていいのかわかりませんが、とにかくいいことは間違いありません。
だからこの仕事を信じて続けていくのです♡

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重度認知症の方々に音楽療法はとても有効です

今日はかなり重い認知症の方々の音楽療法でした
特に4人の方のレベルが落ちていて、その方々をしっかり前列に座らせた若い介護スタッフのケアに対する考え方にまず感心しました

それをふまえて私のアプローチも変化します
4人の方々は、最近は傾眠傾向が強く、なかでも一人の方は身の回りのことができなくなり全介助が必要になってしまっているとのこ
大正時代に盛んに作られた童謡を歌い、会話とともにだんだん覚醒させていきます

さらにサウンドシェイプや鳴る子を持ってリズムに合わせて鳴らします
全介助の方、鳴る子をしっかり持って振っています☆
メロディと歌詞とリズムと記憶とコミュニケーション、すべてがいい方向にいきました

4人の方は最初はうつらうつらしていましたが、徐々に覚醒し、手をあげて質問に答えようとしたり、二者択一ができるようになってきました
終わった時に「思い出すと涙が出るよ~」と涙ぐむ方も

さらに驚いたのは全介助が必要になってしまった方が、おやつの時のお茶を自分でカップを持ち飲んでいたことです
これにはスタッフも「1か月ぶりだ」と大喜び☆

 

音楽でこんな嬉しい変化が現れます♡

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肩たたきでグル―ヴ?

今日のセッションはかなり重い認知症の方々でした。
私はこのような方々とのセッションはだいたいキーボードの回りを皆で取り囲み、見渡しのいい状態で、お茶の間のような会話をしながら音楽を進めていきます。
そこではほとんど自主言語のない方も、時々「そうね~」とか「はい~」とか言ったりします。うまくいけば歌の断片も歌います。

そして、今日はたいへん珍しいことが起こりました。
サウンドシェイプを配り、《肩たたき》の「タントンタントン タントントン」のところを4分音符で叩く活動で、一人の男性が「タタタタタタタタ タタタタタン」と8分音符で叩いたのです。すると、他の人もそれを真似して叩きます。リズムの変化に気付く人が出てきたのです。
すると!次に同じ男性が「タタタタタタタタ タンタンタン」とリズムをさらに変化させました。
たった6人の方々でしたが、そのときにはもういろいろなリズムが混ざり合い、グル―ヴが♪♪
ただの《肩たたき》がすごいことになりました☆
音楽ってすごいなあ☆

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11年目のご褒美

この楽器たちは毎月1回音楽療法に伺っている知的障がい者の作業所で購入されたものです。

楽器購入は昨年の予算作成の頃に提案しました。

それがついに今年度は採用され、しかも10万円までという大きな予算をいただきました。

管轄は社会福祉協議会です。

 

いろいろな楽器を提案しましたが、作業所としてこの楽器を選びました。

長い金属の棒のようなこの楽器はトーンチャイムといいます。

青いケースは1本1本注文したのでこのようなケースに入れられて届きました。

中身は同じです。

1本1本に音が割り振られていて、単音でも何本かで和音にしても使うことができます。

音色は柔らかでやさしく美しい響きです。↓の映像をご覧ください。

 

使い道や使い勝手を考え、普段使うオクターブを2セット、その前後の音を1セット、派生音を1セット注文しました。

 

少しあまった予算で、いつも音楽療法で使っているカラーベルも1オクターブ2セット入れさせてもらいました。

 

この施設は音楽療法の勉強中の時からインターンとして実習させていただいたところです。

今年6月でまる10年がたちました。

11年目のすばらしいご褒美をいただけた気がします。

 

7月7日に地元のイベントがあり、そこでトーンチャイムの発表をします。

晴れ舞台、きっとすばらしい演奏になることでしょう♪

 

知的障がいの方々は余暇活動をあまり楽しむ機会がありません。

でも、余暇、趣味はとても大事なこと。

施設はそこを強調し、1年がかりで説得してくれました。

 

あたたかくサポートしてくださる施設長ならびに職員の皆様、社協関係者の皆様、ありがとうございました!

私ももっともっとお役にたてるよう精進いたします。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

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勘太郎月夜唄~桑摘み~養蚕へと会話は広がります

今回は戦中の大ヒット曲《勘太郎月夜唄》で盛り上がった会話について書こうと思います。

《勘太郎月夜唄》は昭和18年、第二次大戦中であるにもかかわらず、股旅ものの映画「伊那の勘太郎」の主題歌として大ヒットしました。主演は長谷川一夫と山田五十鈴です。

昭和18年というと、昭和元年生まれの人が18歳、志願して兵隊になった方もいたことでしょう。勉強したくても学徒動員で工場や農作業をしていた方もいらしたでしょう。昭和初期の方々には子どもの頃の思い出の曲となるわけですね。

大正前期の生まれの方は子育てに忙しくしていたかもしれませんし、後期の方は結婚する年頃でも男性が兵隊に行っていてそれどころではなかったでしょう。

そんなふうに歌の背景で参加者がどのような暮らしをしていたのかを想像することが大切ですね。

 

ところで、《勘太郎月夜唄》はこのような歌です。歌は小畑実と藤原亮子が歌っています。

 

勘太郎月夜唄 作詞佐伯孝夫 作曲清水保雄

1.影か柳か 勘太郎さんか

  伊那は七谷 糸ひく煙り

  棄てて別れた 故郷の月に

  しのぶ今宵の ほととぎす

2.(なり)はやくざに やつれていても

  月よ見てくれ 心の錦

  生まれ変って 天竜の水に

  うつす男の 晴れ姿

3.菊は栄える 葵は枯れる

  桑を摘む頃 逢おうじゃないか

  霧に消えゆく 一本刀

  泣いて見送る 紅つつじ

 

このような娯楽映画がなぜ戦時中にもかかわらず公開されたのかは、映画の内容が関係しています。幕末の時代、勘太郎が水戸藩から出た「天狗党」という尊王攘夷派の一団に加勢した、ということが検閲を通った理由のようです。この歌の3番にも「菊は栄える 葵は枯れる」という歌詞があるのもこんな意味からです。

 

まあ、そんなわけでできたこの映画に一般大衆は楽しみを見出し、大ヒットとなりました。なので、《勘太郎月夜唄》を知らない高齢者はいません、と宣言できるほど誰もが知っています。

 

さて、本題です。

3番に「桑を摘む頃」とあります。そこで、参加者のみなさんに「桑っていつ頃摘むんですか?」と聞いてみました。すると、ある人が、「えぇっと、春かな?」すると、「いや、春と夏と秋、年に3回だな」また他の人が「4回だったよ」と発言がポンポンと出てきました。詳しく「春は枝ごと切ってあげるんだよ」と説明する人も。

そして、「農家にとってはいい副収入だったんだよ」「繭を売ってくるとお祖父さんがその頃めったに見たこともない1000円札を「ほらこれが1000円札だぞ」って見せてくれた」

また、「子どもだったけど蚕が桑を食べる音が気持ち悪かったなあ」「そうそう、雨が降ってるみたいな音がするんだよね」

こんなことも、「桑の葉を毎日毎日籠に入れて担いで往復するんだよ、大変だったよ」

「学生だったけど学徒動員で群馬の農家に住み込んで手伝ったことがありました」「桑の実もよく食べたよ」「口が紫色になっちゃうんだよね」「それで食べたことが分かっちゃう」(童謡《赤とんぼ》に桑の実が出てきますね)「お祖母さんが糸車で繭をくるくる回しながら糸を紡いでいたのを思い出したよ」

 

「桑を摘む頃」という言葉がこんなにもたくさんの反応を生むとは思ってもみませんでした。これを聞いたのが埼玉の農村部という土地柄も影響していたと思います。このことをきっかけに、参加者同士がお隣さんと話しあい、思い出を共有し合い、次の歌に移れないくらい盛り上がりました。

 

 

実は私は蚕の餌が桑の葉だったことは知っていましたが、年に3回も4回も摘むとは知りませんでした。調べてみますと、蚕は家畜に当たり「匹」ではなく「頭」と数えるのだそうです。また、野生の蚕はいなく、もし蚕の幼虫を桑の木に放しても、捕獲されてしまうか地面に落ちて死んでしまうそうです。羽化して成虫になっても飛ぶことはできないそうです。

 

《勘太郎月夜唄》には他にも「伊那」「七谷」「天竜」「一本刀」「ほととぎす」などキーワードがあります。

このころの歌には「生活」、「季節」、「場所」、「心情」といった題材がちりばめられているのです。

 

歌をうたうことは、回想し思い出を共有することで心を安定させる効果と、忘れていた事柄を思い出すことで脳を活性化する効果、嚥下や心肺の機能向上にも効果があります。

 

 

 

 

 

 

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歌詞の摸造紙

音楽療法で歌唱をする場合、ほとんどの音楽療法士は摸造紙に書かれた歌詞を使います。

それはこんな理由からです。

高齢者は小さな字がよく見えません。

前を向くので姿勢が良くなります。

歌詞を指せば、どこを歌っているのかよくわかります。

でも最大の理由はみんなで同じ歌を歌っているという意識の共有です。

 

私は筆で書いています。文字が太くなるからです。

現在我が家にはこの歌詞摸造紙が600枚ほどあります!

これはどんどん増えていきます~

それはさておき、今回はあるデイサービスの素敵な歌詞摸造紙をご紹介します。

このデイサービスには芸達者な方がたくさんいらっしゃいますが、この歌詞摸造紙を作っている方は看護師さんです。

美しいでしょ?

イメージが伝わりますよね。

作った人の気持ちも伝わります☆

歌詞摸造紙に絵を描いたり、切り絵を貼ったりしているのです。

 

残念ながら私には美術的な素質が無いので、こんな素敵な歌詞摸造紙は作ることができません。

こんな素敵な歌詞を見ながら歌を歌えるここの利用者様は幸せですね。

 

他にもいくつか撮影させていただきましたのでご覧ください。

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歌詞の摸造紙

音楽療法で歌唱をする場合、ほとんどの音楽療法士は摸造紙に書かれた歌詞を使います。

それはこんな理由からです。

高齢者は小さな字がよく見えません。

前を向くので姿勢が良くなります。

歌詞を指せば、どこを歌っているのかよくわかります。

でも最大の理由はみんなで同じ歌を歌っているという意識の共有です。

 

私は筆で書いています。文字が太くなるからです。

現在我が家にはこの歌詞摸造紙が600枚ほどあります!

これはどんどん増えていきます~

 

 

それはさておき、今回はあるデイサービスの素敵な歌詞摸造紙をご紹介します。

このデイサービスには芸達者な方がたくさんいらっしゃいますが、この歌詞摸造紙を作っている方は看護師さんです。

美しいでしょ?

イメージが伝わりますよね。

作った人の気持ちも伝わります☆

歌詞摸造紙に絵を描いたり、切り絵を貼ったりしているのです。

 

残念ながら私には美術的な素質が無いので、こんな素敵な歌詞摸造紙は作ることができません。

こんな素敵な歌詞を見ながら歌を歌えるここの利用者様は幸せですね。

 

他にもいくつか撮影させていただきましたのでご覧ください。

 

 

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「音楽がある」ことは心を「浄化」します

特別養護老人ホームでのできごと。

 

季節の歌で《案山子》を歌ったあと、もうすぐ美味しいお米がとれますね、ということで、朝ごはんのおかずについて質問しました。

 

「みなさん!朝ごはんのおかず、いろいろありますが、どんなものがありますか?」

白板に太いペンで「朝ごはん」「おかず」と書きます。

すると、2列目の真ん中の席から、ひときわ大きな声で「温泉卵!」と発言する人がいます。

どうやらその日の朝ごはんに温泉卵が出たようなのです。

今朝の朝ごはんのおかずを覚えているなんて、すごいですよね。

認知はあるものの、それほど重くはないということがわかります。

そのかたはOさん、80代前半の女性です。

Oさんは、歌が好きで、いろいろと発言もする、元気な方です。

白板に歌詞摸造紙を貼ると、すぐに歌い出すくらい歌が好き。

いつも明るく音楽を楽しんでいます。

 

その日はたまたま、Oさんの娘さん夫婦が面会に来ていて、音楽療法を後ろの方から見学していました。

Oさんはそのことを知りません。

 

Oさんは、音楽を積極的に楽しみ、音楽療法が終わりました。

職員が車椅子を押して、Oさんを家族のもとへ連れて行きます。

 

そこで私は耳を疑いました。

娘さんが何を話しかけても、Oさんはすべてを否定します。

「音楽楽しかったね」「ぜんぜん楽しくない」

「いっぱい歌ってたじゃない」「歌ってない」

「これからお昼ごはんだね」「お昼ごはんいらない」

「今日は暑いね」「暑くない」

こんな調子です。

ついには他の入居者にまで文句を言い始めます。

テーブルの中央にあるティッシュを取ろうとした人に「何やってんだ」と

 

このようなことは他の入居者でもときどきみられます。

今まで、私の話を聞いて、いろいろな思い出を話したり、笑顔で楽器を鳴らしたり、大きな声で歌ったりしていた人が、音楽の時とは違った一面をみせます。

音楽療法が終わるとわれ先と帰ろうとしますが、後ろの人を押しのけ、無理やり先に帰ろうとする人、動作がゆっくりな人に「早くしなさいよ」と文句を言う人・・・

 

「音楽がある」ということはこんなにも人を正常にするのです。

心の中にある「憤り」「不平不満」「諦め」「嘆き」など負の感情を「浄化」するのです。

 

音楽療法の時の参加者一人一人の様子を書いた記録を職員が読むと、「普段自分たちが見落としていることを気づかせてくれる」「日常とは違った一面を見れる」「新鮮な表情がわかる」「参考になる」などと言われます。

毎日、世話に追われていると、入居者をどの人も同じように扱ってしまうことがあるのかもしれません。

介護は厳しい労働なのです。

 

音楽が毎日あったら、一人ひとりに音楽を処方することができたらどんなにいいでしょう。

これからも「音楽療法」を理解してもらえるように頑張ります!

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淀んだ目が輝きを取り戻す~

今日は東京足立区の有料老人ホームで音楽療法。

 

ここのシステムは、参加者は、それぞれが音楽療法参加料を施設に支払っています。

施設側はそれまとめて私(セラピスト)に支払うので、懐は痛みません。

最近、参加される方が増えてきました。

それは、入居するタイミングを狙って、音楽療法を勧めているからです。

最初はお試しで参加し、家族の合意があれば、次からは料金を支払って参加します。

 

参加者がいくら払っているのかは、私は知りません。

 

では、このシステム弊害はなんでしょうか?

それは、参加したくても参加できない人がいるということです。

「音楽は好きなんだけど、息子と話ができないもんだから、私は入っちゃいけないんだって」

と悲しい顔で訴える方がいます。

私にはどうすることもできません。

 

それはさておき、

この施設のメンバーは認知が重く、

そういう方はほとんどが、音楽療法が始まる前は、寝ているか、重くドヨーンとした表情をしています。

顔には生気がなく、話をしても、「わからない」「忘れた」。

それどころか、返事もないひともたくさんいます。

 

Tさんもそんなドヨーンとした一人です。

Tさんは、70代、女性。

2か月前に退院してきたばかりです。

入院するまでは、しっかりしていて、プライドもあり、よく歌を歌っていましたが

最近は、ドヨーン・・・

 

音楽療法が始まり、最初の唄、季節の唄、とすすみます。

それでも、まだドヨーン・・

じゃあ、唄に合わせて少し体操を・・・

あれ??目が開いています。

しかし、まだしっかりと覚醒していません。

 

歌を3曲歌いました。

Tさんは歌いません。

質問をしてみましたが、「だめなの」と言うばかりです。

 

次は楽器活動です。

Tさんには鳴る子を渡しました。

 

私が《東京音頭》を歌います。

それに合わせて徐々にみなさんも歌いだします。

Tさん、太鼓を叩く方につられ、鳴る子を鳴らし始めました。

ニコニコしています。

表情が変わってきました!

 

楽器活動が終わり

私はこの時を逃すまい!と

続けて歌を歌います。

《かもめの水兵さん》です。

Tさんが歌っています!

マイクを向けます。

Tさんの声が良く聞こえます。

 

続いて《砂山》。

Tさんは変わなく歌っています。

歌が終わって、質問をしました。

「この歌はいいですね?」「そうですね」

「佐渡には行ったことありますか?」 「ありません」

「景色が目に浮かびますね」「そうですね」

しっかりと答えることができました。

 

最後には目に光が灯りました。

 

Tさんは、音楽療法が終われば、また、ドヨーンに戻ってしまいます。

でも、いいのです。

一時でも、TさんがTさんらしさを取り戻したのですから・・・

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ハーモニカで伴奏を・・音楽療法でのひとこま

グループホームに最近入居されたKさん。男性です。

80代と思われますが背がスラッとしていて足が丈夫な様子。

いつも明るくホームの隅から隅までを歩いています。(徘徊ともいう)

 

音楽療法で席に着き、ホワイトボードの「青い山脈」の歌詞を見ると

「懐かしいなあ」とひとこと。

そして、内ポケットからハーモニカを取り出し、吹き始めます。

2段になっている本格的なハーモニカです。

リズムも軽快で音の間違いはほとんどありません。

 

私が「伴奏をお願いします」と言うと照れながらも

正調のAmで前奏が始まります。(以前に吹いていたのでしょうね)

あの有名な旋律の前奏で参加者の皆さんが声をそろえて歌います。

私もピアノで伴奏に加わります。

 

歌い終わると参加者の女性が「すばらしい」「すごい」などと尊敬のまなざしとお言葉。

 

そして他の歌詞を貼るとKさんはまた「懐かしいなあ」と言います。

でもハーモニカも吹きませんし歌も歌いません。

楽しそうに聞いています。

 

変ですねぇ。

なにか訳があるのでしょうか。

それとも・・・

 

1時間の音楽療法が終わりに近づきました。

やっぱりもう一度Kさんにハーモニカを吹いてもらいたいと思いました。

村田英雄の「人生劇場」をお願いしました。

「吹けるかなあ」と心配そうにしているので

最初の音は「ド」ですよ、とアドバイスすると、やがて吹き始めました。

Amが一番吹きやすいかな、と思ったのです。

「では最初から」

皆さん大きな声で歌います。

 

Kさんは楽譜はなくても、自分の勘で吹いているようです。

いつもいつもいろいろな曲を吹いていたのでしょうね。

 

最後の曲は「上を向いて歩こう」です。

私はこの曲は有名だし、Kさんは絶対知っているから、吹けるだろうと思いました。

最初の音だけ教えてあげるとやはりスラスラと吹きます。

 

ハーモニカの伴奏だけで楽しい「上を向いて歩こう」になりました。

 

最後にKさんに皆さんからの暖かい拍手。

Kさんはとても嬉しそうでした。

「ハーモニカは肺にいいんだ」なんて言ったりして(*^_^*)

 

1時間吹き続けるのは大変でしょうが、これくらいなら毎回お願いできそうです。

ハーモニカ音楽療法でKさんにいい変化があるといいなあ、と思いました。

 

徘徊や、落ち着きなく頻繁にトイレに行く、などの行動をされる高齢者の方は多くいます。

音楽療法の1時間はたいがいの方はじっと座って参加できます。

心の安定や集中という効果があるのです。

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上海から引き揚げ 音楽療法のひとこま

ある日の高齢者デイサービス

 

《上海帰りのリル》という曲があります。

この日の音楽療法のテーマは外国の地名の付いた曲ということで

この歌を歌う前に、上海ってどの辺にあるのかを私のつたない世界地図でご紹介しました。

そして歌い終わり、私はKさんに話しかけました。

Kさんは大正12年生まれの男性です。

以前《蘇州夜曲》を歌った時に、兵隊で蘇州に2年2カ月居た、ということを聞いていました。

 

「Kさん、蘇州から上海はどれくらいの距離ですか?」

「近いよ。60キロくらい離れてる。日本に帰ってきたのは上海からだったからね。」

「え!そうなんですか~上海ってどんなところでした?」

それからKさんは一気に話しだします。

「収容所にいたから街の様子はわからない。収容所はたくさんの兵隊が帰れる日を待っていたよ。

板の間に毛布を敷いたところにみんなで雑魚寝。夜中に便所に行って帰ってくると自分の寝場所が無くなっている。仕方ないから人の上に寝たんだよ。」

「食べるものはおじやみたいなもので一日2食。知り合いが居たりすると白いご飯を貰ってきて飯盒で炊いて食べてる人もいたな。」

「収容所には2年居て、昭和22年3月に帰ってきたんだ。一日一日過ぎていくたびに、帰る日が一日近づくんだ、と思っていたよ。」

「貨物船にぎゅう詰めで乗って、最初の1週間は揚子江の水で海が真っ赤なんだよ。それからがひどい船酔いだ。やっとの思いで博多に着いたんだよ。」

「その頃ラジオで引揚者情報をやる時間があって、親父がラジオに耳を付けて聞いたら、オレの名前があってさ、知っていたんだよな。それで帰ってきたら、道の向こうからオフクロと姉が走って来たよ。」

そう言って笑いました。

 

Kさんが話してくれた言葉の裏にたくさんの想いがあることに気づきます。

この日Kさんは退院後初めてのデイサービスの利用日でした。

しばらく体調をくずしていたのです。

このような貴重なお話しをしてくださる方がどんどん減っています・・・

 

実は音楽療法が終わって皆さんと一緒にお茶とお菓子をいただいている時も

Kさんは終戦のころの話を聞かせてくださいました。

そして最後に「生きて帰ってくると思ってなかったよな~」

 

私は音楽療法の時間に

音楽が媒体となって、その場にいる方がいろいろな話をしてくださり

その話をみんなで共有し、共感し、想いをひとつにする、ということを

重要な目的のひとつにしています。

そして、ひとりひとりが自分の人生を認め、皆の人生を認める、ということを目指します。

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屋形船の想い出  音楽療法のひとこま

最近、高齢者のデイサービスにも男性の利用者が増えてきています。

ただ、やはり女性が圧倒的に多いので、男性の方は少し肩身が狭い様子。

それでなくても男性ってそういう集まりに行くのって苦手じゃないですか・・・

 

だから、私は男性の方には特別に気を使い、楽しんでもらえるように考えます。

 

Sさん、70代と思われます。

建設業をされていて、東京タワーを作る現場にいました。

そのことを誇らしく思っています。

また、若いころ、ニニロッソが好きで、トランペットを吹いていたそう。

実はとてもダンディな方だったのじゃないかな、と思います。

でも、何らかの理由で、デイサービスを利用しているのです。

 

この日もSさんの楽しい話を聞くことができました。

《東京音頭》で太鼓を叩き、気分も高揚してきたとき、

この歌詞を見てひと言、「屋形船か」

私が「Sさん、屋形船に乗ったことあるんですか?」と聞くと

「言問橋と吾妻橋の間を行ったり来たりするんだ。

川の両側が桜並木なんだよね。

麹町の芸者を呼んでさ、一杯やるんだよ。」と一気に話しました。

「すごいですね~芸者さんって呼ぶと高いんでしょ?」

「いや~、俺が払ったわけじゃないもん。接待だよ。」

 

当時は建設業は羽振りが良かったのかもしれませんね。

 

回想法という手法があります。

いろいろなことを回想して、その方の人生はいい人生だった、ということを導きます。

昔を懐かしむのはけっして後ろ向きなことではないのです。

 

男性のかたは女性以上にプライドを持っています。

デイサービスでの普段の生活では現れないようなことも

音楽をとおすと出てくることがよくあります。

今回もSさんのそんな一面を知ることができました。

 

音楽の要素には美的感覚というものがあります。

音楽療法をとおして、たくさんのいい思い出を引きだしたい、と思っています。

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